この、声のスタイリッシュさと調和力があるから、小西さんのアレンジの世界が最大限に存在感を発揮し、ピチカの「心地よさ」が生まれているように感じる。
ヒップな音楽は、特にダンス曲などではボーカルの声や音、歌い方が重いと、聴く側の心の踊り方も重くなるもの。でも、まきさんのフレンチらしい、八分の力で軽快に歌うスタイルこそが、聴くものの心を軽くさせ、ドライヴにいきたくさせたり、ショッピングに行きたくさせたり、甘いものを食べたくさせたり、踊りたくなったりとリスナーをハッピーにさせてくれるのだ。
思えばABBAやアースなどスタンダードの基本も、みなボーカルがいやらしくない。心地よいサウンドを殺さず、その上に綺麗な声を乗せることに集中していた。