おじいちゃんが大喜び
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2歳になったばかりの息子が、この絵本のおかげで「おじいちゃん」「おじいちゃん」というようになり、父(息子から見たら、おじいちゃん)が大喜びです。本当は、ちょっと悲しいお話かもしれません。息子も、この絵本のように父と大切な貴重な時間を過ごしてほしいです。
清々しい爽やかさと、ほんのりとしたあたたかみと。心がほっこりとふくらむ絵本です
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「よくきたね げんきかい?」と、緑の椅子に座ったおじいちゃんが、手を広げて孫娘の少女を迎える一枚からはじまる絵本。
爽やかな色合いの絵。ユーモラスで、あたたかみのあるタッチ。清々しい風が通り過ぎてゆくような絵の一枚、一枚をめくっていくうちに、おじいちゃんのしぐさ、表情、言葉が、少女の記憶の中から生き生きとよみがえってくるのですね。おじいちゃんと孫娘、ふたりを結ぶ心のきずながあたたかく描き出されている絵と文章に、心がほっかりとなごみました。
おじいちゃんが腰かけていた緑色の安楽椅子。ゆったりとして、おじいちゃんの体によく馴染んだ緑の椅子が、この絵本の中で、とてもよく効いています。主(あるじ)を失った緑の椅子が描かれたラスト。大好きなおじいちゃんの膝に乗ることのできない、そして言葉を交わすことができない少女のさびしい気持ちがこちらの心に届いて、しんみりとしちゃいました。
英国の絵本作家ジョン・バーニンガムの1984年の作品。原題は、『GRAMPA』。
『Pooka 酒井駒子 小さな世界』の中、絵本作家の酒井駒子さんが「大切な本たち」の一冊として挙げていたのに興味を持って、それで手にとってみました。この絵本に寄せた酒井駒子さんのコメントを紹介しておきますね。
<ボローニャに行ったとき、偶然『おじいちゃん』の原画展をやっていて、それがとてもすばらしかったんです。こんなにいい絵があったのかと、はっとしました。それまでは知っていたけど、深く絵本を見たことはなくて。改めて読んでみたら、すごく良かった>(『Pooka 酒井駒子 小さな世界』より)
絵もほんわかしています。
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おじいちゃんが大好きな娘(小二)が選び、一緒に読みました。絵本の中の出来事と現実と私の想像する娘の胸中がひとつにかきまぜられて、胸にぐっときました。-永遠には続かないからこそ、大切なもの-を改めて考えさせられた一冊です。
ジーンとします!
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バーニンガムの作品の中でも特に好きな作品です!おじいちゃんと女の子のふれあいと別れが書かれてあります。おじいちゃんが女の子のことをどう思っているか、女の子にとっておじいちゃんはどんな存在なのかは書かれてありません。また、おじいちゃんとの別れに対しても、女の子は何も言わないし、涙も見せません。しかし、書かれていないからこそ感じる「気持ち」が、この作品では表現されているのです