歩きまわる山
★★★★☆
著者は英文学者/登山家。
明治40年代から登山を始め、戦前くらいまでさかんに活躍したという。本書には、22篇の登山記が収められている。
何日かかけて縦走するという登り方が多い。小川谷から朝日岳、白馬岳を抜けて針ノ木峠へ。槍ヶ岳から日本海まで。あるいは秩父の山々をめぐったり。
いまだに地元の山人を雇って道案内に使っていた頃の記録で、読んでいて隔世の感がある。しかし同時に登山者が増えつつあった時期でもあり、日本の登山史の道程としても読める一冊だ。
風景、食べたもの、同行者などの描写がメイン。あとは、しばしば道に迷うところが読みどころ。