私立学校の教職員必携
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非営利法人としての責務とかまったく考えもせず、無目的にひたすらコストカットに邁進したり、逆に、思いつき拡大路線で散財したり、経営のわからない経営者が跋扈している学校法人は少なくありません。デリバティブで大損した法人もありましたし。営利企業と違い、株主総会などのチェックがはたらかない学校法人では、労働組合や教授会・職員会など、学内の教職員がしっかり財政を勉強して理事者に説明責任を果たさせるよう働きかけないと、本当にヒドイ運営をされてしまうことがあります。
必ずしも会計が専門ではない教職員でも、この本を使ってしっかり勉強すれば、自分の大学がどのような状況にあるか、よーくわかるはずです。大学生でも、これ読んで自分の通う大学の財務分析とかやるのはいい勉強になります。(大学だけでなく、学校法人なら私立中学・高校などでも使えるはずです。)
ちなみに、基本金組入れについて。通常、組織の収益状況の分析を踏まえて増資が検討されるのが当たり前です。つまり、現状分析を踏まえて、将来計画を立てるわけです。ところが、学校法人の会計では、その分析の資料となる会計資料の中で、先に基本金組入れなんて項目を立てて計上してしまうのですね。現状分析の中に、将来計画に関する内容が混入されちゃってるわけで、混乱の元です。その点をきちんと批判している点でも、この本は優れものです。
品切れ状態のようですが、是非とも増刷を希望します。
見解が偏っています
★☆☆☆☆
基本金組入を否定するような雰囲気があり、学校法人会計基準を根底から
覆すような論調が見られます。組合的発想かと穿った見方をしてしまうほどです。
分析手法に関して言えば正鵠を得ていますが、学校法人会計に対する根本的な
理解が欠如しているように思われてなりません。
基本金の構造が難解であることは承知していますが、これはあまりにも偏った
見解ではないでしょうか。
特に減価償却引当特定資産の否定は、基本金との関係を全く理解できていない
としか考えられません。
分かり易いかどうかではなく「間違っている」点で、おすすめできません。
私立高校の先生にもお奨めです
★★★★★
先生だから、お金のことは・・・なんて思わないでください。
あなたの学校は赤字経営それとも黒字経営?
ご自分の勤務先の財政状況を知るには、この本をぜひ読んでください。
赤字と思ったら、黒字だった。
黒字と思ったら、赤字だった。
目からうろこの一冊です。