嵐の前の静けさ
★★★★★
待望の12巻、今回は戦闘シーンなどはなく、作者も述べる通り「じわじわ準備巻」といった雰囲気です。
今巻では漸く目覚めた梵天と露草とのやり取りに目を引かれました。今まで何も知らされなかった露草と、口を閉ざしてきた梵天。それぞれの心情が良く描かれていて、それがまた切ないですね。
また、個人的に気にいったのは露草と紅のコンビ。お互い似た境遇の中で、紅の存在が露草に何かを気づかせてくれる。今までの敵という関係から一歩踏み出し始めた、そんな感じがします。
一方紺はといえば、やっと一巻(二巻?)あたりの伏線が回収され、完全にキーパーソンとなってきています。鴇に関しては、露草との関係しかり、梵天しかり、萱草しかり、随分成長したように思います。ここまで長かった(笑)
前にどこかのレビューで見ましたが、『あまつき』は設定も話も入り組んでいるため新刊が出ると前の巻を読み直さないといけないですね。全ての伏線を回収するのは大変だとは思いますが、次巻は新章突入ということで期待を込めて★5にさせていただきます。