ジャズ・フルートの第1人者のボサ・ノヴァです。とても素晴らしい演奏でした。
★★★★★
ジャズ・フルーティストの第1人者・ハービー・マンが演奏するボサ・ノヴァのアルバムだという知識だけで手に取りました。感想は意外な人とのセッションの連続でとてもステキなアルバムだと言う事を第一に感じました。
3曲目の「アモール・エン・パス」と5曲目の「ワン・ノート・サンバ」の収録に、ボサ・ノヴァの神様のアントニオ・カルロス・ジョビンが参加していたのですね。「ワン・ノート・サンバ」のジョビンのボーカルとギター、そしてハービー・マンのフルートのからみが軽快で、聞惚れてしまいました。とても良い演奏ですね。
アメリカで、ボサ・ノヴァ・ブームを巻き起こした「ゲッツ&ジルベルト」の前年の1962年の演奏だということを考えますと、それから沸き起こるボサ・ノヴァブームの魁となった演奏なのでしょうね。
2曲目の「みにくい娘」と6曲目の「ブルース・コレクション」には、セルジオ・メンデスが自分のバンドのボサ・リオ・セクステットを率いてハービー・マンとご機嫌なセッションを繰り広げています。大ブレイクする4・5年前の演奏で、セルジオ・メンデスのボサ・ノヴァ・サウンドの萌芽を見ました。ジャズ本流とブラジル音楽の融合を聞くことができます。
全編を通じて、ハービー・マンのジャズ・フルーティストとしての多彩ぶりを聞かせてもらったアルバムです。この演奏から半世紀近く経ち、今又ボサ・ノヴァ・ブームが巻き起こっています。
若い方に、ハービー・マンの素晴らしさを聞いて欲しいと願っている一ファンです。ジャズとフルートの相性の良さを感じてください。