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ゲームの変革者―イノベーションで収益を伸ばす

価格: ¥1,995
カテゴリ: 単行本
ブランド: 日本経済新聞出版社
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イノベーションを中心とする経営の教科書 ★★★★☆
「消費者がボス」 本書では何度でもこの言葉が繰り返される。ボスの中には小売業(要はチャネル)が含まれることもある。しかし、商品をどのような形で消費者に届けるかを考えない企業は淘汰される。ボスの意向を無視する者は市場という職場でクビになる。

本書はイノベーションを使って経営しようなんてものではなく、イノベーションを経営の中心に据えるための方法論を体系的に記述したものである。つまり、イノベーションが目標設定、戦略作成、組織構成、経営資源の配分、予算策定、リーダーの育成など全ての経営活動の基盤となるべきであると主張している。

また、誤解がないよう何度も繰り返されるのは、イノベーションは技術者が研究室にこもって発明するものではなく、商品が市場に受け入れられるようにするための全ての行為である。消費者が小売店で手に取りやすいパッケージに変えることである。デジタルオーディオプレイヤーを作ったのはソニーでも、市場に受け入れられてイノベーションを起こしたのはアップルである。著者の一人であるP&GのCEOラフリーが語るP&Gの徹底した消費者指向とイノベーション指向には驚かされるばかりである。

大企業でなければ、イノベーション専用の施設なんてものは作れないだろうが、適切なイノベーションのチームは6〜10人であると言っている。どんな企業にでも応用は効くはずだ。
気付きを促してくれる本。Consumer is boss この言葉を心に刻みたい。 ★★★★☆
官僚的になりがちな、巨大企業を蘇生するヒントはイノベーション。それを可能にするのは、Consumer is boss(消費者がボス)という考えが組織内に浸透されている背景がある。ということがよく解説されていると感じた。イノベーションを起こそうとしても社内の各組織、部署の思いが交錯してことが進まない、コンセプトがチグハグになる事が多いのが私自身、企業人としての実感だがConsumer is boss(消費者がボス)を理念にすべてに対処することが出来れば内部での議論もシンプルかつ迅速に進むだろうと読み終えた今、つくづく感じている。ただ、そういう理念で一環して事業を進めていくにはマネージメントのリーダーシップが欠かせない。それも強い意志をもって組織全体にこの考え方を鼓舞し続ける必要があると感じる。腹のそこからConsumer is boss(消費者がボス)とトップマネージメントが考え、組織構成メンバー全員も同じような理念を持てるか。それを考えるといかにA.G.ラフリー、そして彼が率いるP&Gが凄い組織かが分かる気がする。それだからこそ彼らは成長し続けられる。読んで気づきを得られて満足感にひたっていたが、これを実践するのは並大抵ではないだろう。と天を仰ぐ気分。学べることは、多い本。
より深堀されたい方には、シュンペータや、ドラッガーの著書にも立ち戻られるといいのかもしれません。
う〜ん、それほどとは・・・ ★★★☆☆
確かにP&Gという企業のすごさは良くわかります。マーケットを単一の価値観で見ないための企業姿勢を徹底しているのも素晴らしい。マーケティングというものの本質を突き詰めた企業として賞賛に値いすると思います。でもこの本でスゴイスゴイとアピールするばかりで、私たちが知るべきこと、知って役に立つことは5ページもあったら十分理解できるような・・・。特に本編に入る前の部分(ほぼ5分の一くらいありますでしょうか)は同じことを(P&Gはとってもスゴイ、という言葉の羅列)繰り返して冗長です。是非読むべき本ですが、ちょっとタイトルはオーバーかなぁ。
『イノベーションと起業家精神』の現代実践版 ★★★★★
本書は、P&Gのイノベーション戦略・実践を事例として前面に押し出しつつ、体系的なイノベーションの方法論について解説しています。

イノベーション関連の書籍は、方法論メインのものと事例メインのものに大きく分かれているように思えます。方法論メインのものは体系的ではあるのですが、実践でどのように適用すればよいかがわかりにくく、事例メインのものは実践でのヒントは多いのですが、それらをどのように効果的に組み合わせればよいかがわかりにくくなっています。
本書は、方法論メインと事例メインの書籍の良いとこどりをしていますので、体系的にも実践的にも活用しやすいものとなっています。


また、企業経営とイノベーションを整合させていますので、企業経営という観点からもイノベーションという観点からも、確かな知識・視点を与えてくれます。
そうなっている大きな理由は、P.F.ドラッカーの『イノベーションと起業家精神』をベースとしているからだと推察します(実際に引用が数多くなされています)。ドラッカーは、企業の第一の目的は『顧客の創造』であると述べ、重要な企業活動は『マーケティング』『イノベーション』『生産性』だと述べています(『現代の経営』より)。本書で提示している方法論もP&Gの事例も、まさにこの原則を忠実に踏襲しています。また、イノベーションは人のつながりから生まれるという重要な知見も、人を中心に経営を考えたドラッカーならではのものでしょう。

改めてドラッカーの凄さを認識させられると共に、それを忠実に実践してイノベーション・成長を続けているP&Gの凄さも認識させられます。


更に、インターネットの活用、オープンイノベーションの推進など、ドラッカーをベースとしつつも最新のテクノロジーやイノベーション手法を取り入れた事例を紹介しています。まさに『イノベーションと起業家精神』の現代実践版だといえます。


これだけ有益な本書ではありますが、活用される際には幾つか留意点がありそうです。

まず、事例がP&G、GEなど世界を舞台に活躍している一流企業であるということです。イノベーションを経営の中核に据えてからの成長物語は確かに素晴らしいのですが、それ以前からも顧客志向であったこと、世界中から優秀な人材を採用し、育成&選抜を経てリーダーや専門家になった人々が数多く集まっていること、イノベーションに膨大な投資が可能であること、といったこれらの企業ならではのアドバンテージがあります。ですので、この域に達していない企業が本書の通りのことを行ったとして同じようなイノベーションを生み出すことのできる保証はありません。イノベーションの前に適切なマネジメントが求められるようにも思えます。

次に、方法論も事例も、実施して失敗したこと、実施しておけばもっと上手くいきそうだったこと、については記述されていません。また、イノベーション企業に生まれ変わる過程で生じた重要な摩擦・抵抗やその対処方法についても記述されていません。
方法論はどれだけ素晴らしくても方法論ですので、全ての企業に同じように適用できるわけではありません。またP&Gも独自の環境・強み・課題のうえで本書で記述されたような対応をしています。
本書の知見を更に有効に活用するために、このような切り口での情報提供があれば更に有益なものになったのでは、と思います。

このあたりを留意しながら活用されるとよろしいのではないでしょうか。
消費者とイノベーションに成功の秘訣あり! ★★★★★
 企業は消費者のニーズに会わない商品サービスを供給していてはいずれ存続できなくなる。常に新陳代謝が必要となろう。
 このような中でP&Gは、2008年のリーマンショク後も第2四半期純利益61%増と高業績が続いている。その理由について同社CEOのA・Gラフリー氏とラム・チャラン氏が「ゲームの変革者」というタイトルで出版されたのが本書である。

 この著書は、経済学による「消費者主権、イノベーション」および経営学「マーケテイング」がキーワードになっていると思われる。
 著者は同社で徹底的に「消費者の目線に立ったイノベーション」を実行し、それができるための組織、人事等を行なって成功できた体験を綴っておられる。

 訳者の斎藤氏も「あとがき」で自身の経営されている証券会社の経営にも「消費者の立場」に立った改善が役立っている事を述べておられる。
 経済学や経営学の深遠な理論はそのままではなかなか実用化できないかもしれないが、ここで述べられている事は学問と実践のすきまを埋めてくれると言える。
 経営者の立場、消費者の立場それぞれで読める視野の広がる書物である。一読をお奨めしたい。