１９７０年から１９１４年の間、およそ１００人のアメリカ女性がグレートブリテン島内の貴族男性と結婚したそうです。
　しかも１００人のうち６人が、公爵という最高位の男性を射止めたというのが、すごいですね〜！！
　アメリカ女性は、昔からパワフルです（＾０＾）
貴族の夫婦は寝室が別なのが当たり前なんですけど、そういうことになじめないヒロインがかわいいですよ（＾０＾）
　５０代ベテランママからでした。

文庫本ロマンスを手当たり次第に読みふける中で、こちらはかなり楽しめました。
ヒロインの考え方や行動が清々しくてヒーローでなくとも「彼女に感謝！」という気持ちになるはずです。
ただ星は4.5でパーフェクトではなかったかも。残念ながらヒーローがヒロインほど上出来（結婚をする気もなかったヒーローが持参金目当てと自分に言い訳しながら自分のものにせずにいられなかったほど）な女性にすら自分をさらけだせない状態に至った理由がすべて伝聞や簡単な回想でさらりと触れられるだけなので説得力が弱く感じました。もう少し詳しい状況説明が散りばめられていたらもっと良かったと思います。

米国から貴族と結婚する為にやって来た令嬢と、結婚を嫌悪する公爵との、惹かれやがて愛を手にする物語。
こう書くと安直ですが、努力をして愛を手にして行く心情が丁寧に描かれて行くので、続きが気になって、どんどんページが進んでしまいました！

ヒロインは、一代でのし上がった父の財のお蔭で米国の特権階級で有利なプロポーズを受けながらも愛を感じられず、英国にこそ愛を感じられる人がいるのではとやって来た令嬢。
ヒーローは、祖父母・両親が激しい気性から不幸な人生や結婚を送った事から、感情を表す事を激しく嫌悪し、結婚も考えていなかった公爵。
ある舞踏会でそんな二人の眼と眼が合い、互いに何かを感じる。
ヒロインはそれを愛と感じ、愛を知らないヒーローはヒロインに惹かれる自分が分からず、没落する一方の家を救う為に家名と財産のマリアージュも良いのではないかと自分に言い聞かせ、結婚する。
すれ違う考えで結ばれた二人。
ヒロインに惹かれる自分に動揺するヒーローは、わざとヒロインを突き放す。愛で結婚したと信じていたヒロインは絶望を覚える。更に環境も彼女を打ちすえる。米国成金との結婚に反対している冷たい前公爵未亡人に、彼女に従う使用人達。

でもヒロインは強かった。
自分のやり方で公爵夫人として暮らし、彼と彼の家族に心を寄せて接した。
彼女のやり方は少しずつ屋敷を明るくし、ヒーローもヒロインを突き放そうとしているのにどんどんますます惹かれて行ってしまう。
そしてある日ヒーローの堅い心の殻が破られ、彼女につい寄せてしまう優しくしたい守りたいという思いが愛だと気付く。。。

ヒロインが強さを取り戻し、一歩一歩進んで行く過程。
ヒーローがヒロインに感化され少しずつ変わり気付いて行く過程。
そこの部分の丁寧な描写が抜群!!!でした。
称号を求めてではなく愛を求めて英国に来るというのも普通ではない。
当り前ではない発想を持ち、心を丁寧に描ける作家。
沢山ロマンス小説を読んでいるからこそ、この新しい作家が日本に紹介された事が嬉しくてなりません。
次回作も楽しみに一日千秋の思いで待っています！