ニッチ性の持続
★★★★☆
B級スポットや廃墟などを広く扱ったこのサブカルチャー雑誌もついに4号目に入った。
前回の3号では巻を重ねるから内容が薄くなるのはやむを得ないかと思っていたのだが、この4号では薄くなるどころか更にパワーアップしていると感じる。やはりこの手の本では読者の目が肥えているから制作する側としてはかなり大変なのだろう。
4号では東海地方のスポットを取り上げている。この東海地方は2005年の「愛・地球博」をきっかけに経済の面でも力をつけている所が多いのだろうか?ポスト万博後の名古屋経済の成り行きが心配されたが、今のところその反動は少ないようにも感じられる。また、特に名古屋人にはパワーのある人が多い。カネに対しては堅実であるようで実はそうでは無いと言える。それがこの本に取り上げられている物件に表れているのかもしれない。
この本を入手した日の午前中にTVで放送していたのだが、最近では工場・ダム・団地といった大規模な建造物をこよなく愛する人が増えているという。愚生も趣味の写真撮影によく出かけるのだが、ダムを通って見ていると確かにその大きさに圧倒されるばかりでなく、人間の作り上げたそのパワーの何と偉大な事か!と感じずにはいられない。ダムが放水する所を見るとその水の流れの美しさには言葉で言い表せないものがある。そういったものを彼等も感じ取っているのかもしれない。この本でもタイムリーにダムと工場を取り上げている。
さてこの本について書きたい事は山ほどある。富士ガリバー王国の解体、閉館された国際秘宝館…それぞれに対して思いを馳せるところだが、季刊化され、まずは中身が薄っぺらくなっていないところにやはり感銘を受けた。