懐かしさも乱歩作品の大いなる魅力です
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どなたも「乱歩体験」の記憶が必ずやあるのではないでしょうか。
何度となく繰り替えし映像化されている作品の数々。
「屋根裏の散歩者」は、特によく映像化されているのではないでしょうか。
一度、じっくりと原作を読んでみたいと思っていました。
この本には「屋根裏の散歩者」と「暗黒星」という2編が収められています。
「屋根裏の散歩者」は短編、「暗黒星」が中編といった分量です。
江戸川乱歩の作品は、昭和初期を舞台としているのですが、初出の頃でも、懐かしさが感じられる、という評であったそうです。
確かにそれはいえる、と今回読んでみて思いました。
怪奇な現象だけではなく、その懐かしさも大いなる魅力であるでしょう。
2編とも名探偵明智小五郎が登場する作品でもあります。