内容は最高に面白いが
★☆☆☆☆
スペンサーはレッド・ソックスの投手マーティ・ラブの身辺を洗うよう依頼される。ラブの妻には公にしたくない過去がある。これをネタに八百長試合をするよう脅迫されている。それを知ったスペンサー依頼主には何もないと答えるが自分自身の正義感がおさまらない。この悪党をやっつけるシーンは手に汗を握る。また,この悪党を操る悪党を完膚無きまでに叩きのめす。痛快と言えば痛快ではあるが,生半可な英語の知識でこの本を読破するのは無理。俗語の表現が多く,英語に対する自信を無くす。菊池光訳の失投を併読されることをお奨めする。この訳がまた素晴らしい。新しい分野が開けるのでは・・・。
失投 (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 110‐1))
機知の富んだ会話が最高
★★★★★
スペンサーシリーズは初めて読んだのですが、会話がいちいち冗談交じりでおもしろいです。本来なら緊張しなければならないような場面でも、冗談がちりばめられているので、容易に読み進められます。ただ、本当に重要なシーンになると、冗談が無くなるので、読んでいても緊張感が高まります。
また、昔のレッドソックスなど、描写が良くできている点も、読み応えがあります。
リアル
★★★★☆
英語の勉強の為に、原作を読みました。
野球といえばドーピングが良く取りざたされますが
こういった事も、リアルに起こってそうだなという印象を持ちました。
これ以前の作品とは違うシリアス(!?)な部分が出てくるので、
読んでいて、ちょっとドキっとしました。
他の作品を読んでいても思うのですが、Susanとの関係がとても大人です。
いつもながら読みやすく、もう次の作品"Promised Land"を読んでいます。
美術ネタやジェンダーネタが素晴しい!
★★★★☆
スペンサーシリーズ3作目。
まだホークが出てこないが、
2作目の『誘拐』 で私が気に入った芸術ネタが
これでも展開していて大満足。
フェルメールの「青いターバンの少女(真珠の耳飾りの少女)」を
的にしてスペンサーが射撃練習するナイスなシーンがありますw
他の美術ネタはダリとベラスケスが出てくるが、
世界一の芸術大国のスペイン絵画を射撃練習に使ったら、
芸術を理解する能力を持たない野蛮人であるw
美術ネタというと、鑑賞眼の無い三流は、
イタリアやフランスの絵画を出すものだが、
本作には一切出てこないのは素晴しい!
『誘拐』 で私は看破していたが、
ロバート・B・パーカー は芸術を正しく理解してる
教養人だと確信したので、
スペンサーシリーズはコンプ決定しました。
本作でもストーリーには何の関係もないのに、
スペンサーがメトロポリタン美術館を訪れるシーンがあるのは、
美術マニアにはにやりとさせられるだろう。
野蛮な破廉恥なハードボイルドの皮を被っているが、
ロバート・B・パーカー の芯には
素晴しいものが埋まっていると判断します。
スペンサー・シリーズ
★★★★☆
パーカー独特のハードボイルド世界を味わえるのがスペンサーシリーズの魅力のひとつである。また、事件ごとに魅力的なスペンサーの言葉、そして活躍する姿というのを楽しむことができる。
本作は八百長試合の疑いがかけられた野球選手の妻の過去をスペンサーが探ってゆくというマクドナルド風ストーリー。そこから八百長の真相も暴かれる。プロットがちゃんとしており、短い作中にキチンと納まっている。そして読みやすい。チャンドリアンたちの硬派なハードボイルドとは違う雰囲気。
それを訳出した菊池光氏のことも忘れてはならない。