女性の怖さをひしひしと感じます
★★★☆☆
いつも楽しみに待っている明野照葉さんの新刊です。
牧丘南欧子、三十四歳。つまらない仕事。くだらない恋人。サエない日常。下り坂の人生だ。そんな時、突然の申し出が舞い込む。ある人物が彼女を見込んで雇いたいと言っている。ついては、試用期間の契約を結びたいというのだ。提示された多額の報酬と不思議な仕事内容。その契約書が彼女の運命を大きく変えてゆく……。
〜〜〜データベースより〜〜〜
今回も最初から最後まで明野さんならではの一種独特な不穏な空気感
(けれどそれが最大の魅力でもあります)を漂わせながら物語が展開されて行きます。
物語の主役、牧丘南欧子も決して好人物とは言いがたいけれど、
「善人」のはずの桃子が途中から南欧子以上の悪人に見えてしょうがなかった。
表向きは南欧子の為と言いつつ、心の奥底には根強い復讐心が渦巻いている、
その執拗なまでの復讐こそイジメにイジメで対抗する嫌な女に見えてぞっとさせられました。
やっぱり女の敵は女?
明野さんの作品はこれだから止められない。