人柄が良く出ている
★★★★★
著名な物理学者のエッセイであるが、「ご冗談でしょう、ファインマンさん」などと並び、ファインマンの好奇心旺盛ではちゃめちゃをやってきた人となりが良く出ている本である。他の本と違うのは、子供時代の話が出ているので、どのように育てられたのかが良く分かる。
文庫本で出して欲しい本である。
科学者は謙虚であるべき
★★★★☆
本書は偉大な科学者リチャード・ファインマンに関するインタビューや講演会をエッセイ形式でまとめたものである.
本書で特筆すべきは,スペースシャトル「チャレンジャー号」事故少数派調査報告であろう.これはファインマンも委員として参加していたスペースシャトル「チャレンジャー号」事故調査委員会が,合衆国大統領に提出した報告書の付録「F」として発表された公文書である.当初は掲載されない方針であったが,ファインマンの説得により,付録として掲載されることとなったようだ.付録ではあるが,事故の原因をもっとも科学的に記述している箇所であり,ファインマンの科学者としての姿勢が如実に表れているエピソードとなっている.前著『困ります,ファインマンさん』の中にある「ファインマン氏,ワシントンに行く」というエッセイの裏話となっているので,前著の後に読んだ方が良い.
またファインマンのエセ科学や宗教に関する意見も非常に興味深い.エセ科学に対しては,手厳しく戒めている.一方,宗教(特にキリスト教)に関しては科学と対立することも多いが,宗教と科学は謙虚であるという点において,お互い矛盾しないという.つまり,科学は知性の謙虚さを求め,他方宗教は心の謙虚さを人々に求めている.
最後に「ワン・ツー・スリー,ワン・ツー・スリー」は,ファインマンのユニークさを示す面白いエピソードであるが,何か一つの観念を説明しようとするとき,すでに自分の中にある考えに基づいて説明するのではなく,聞いている相手がどのような考え方をしているかを把握しながら説明しなければならないという科学者として非常に重要な教訓を残している.
ファインマンさんは神を信じられなかった
★☆☆☆☆
ファインマンさんは、下に引用したことばの意味が分かっていればまた違った人生が送れたでしょう。神は存在証明出来ないものなのです。それを無理やりファインマンさんはやって神を信じようとしたので彼は神を信じることが出来なかったのです。彼が神を信じれなかったのは彼が自分の知恵で神を知ろうとしたからです。「さようならファインマンさん」でも感じたことですけど。彼は物理学者として素晴らしかっただけに残念でなりません。神は証明できるものではありません。ただ示すことが出来るだけです。それを信じるか信じないかはあくまでも神を示された人間に責任があります。科学とキリスト教信仰はどちらも妥協しないで両立できます。科学をやればやるほど神を信じられなくなるという彼の考えは、そもそも聖書の教えに反します。
「事実、この世が自分の知恵によって神を知ることがないのは、神の知恵によるのです。」(新約聖書コリント人への第1の手紙1章21節より・新改訳聖書第2版)
内容はおすすめ
★★★★☆
お勧めです。
疑似科学についても書かれていますし。
ただ、出版社には問題があります。
文中に"Worlds in Collision"がでてきますが、これは『衝突する宇宙』として法政大学出版局から出ています。これに触れないのは岩波の手抜きとしか思えません。
私が気づかなかった類似の問題があるのではと心配になります。
好きな事をやりつづけたある科学者の人生
★★★★★
ご冗談でしょうファインマンさん、などから抜粋したエッセイが元になっている。
科学者のエッセイの中では最もポップで楽しい作品だと思う。
研究、ものを真摯に考えることの楽しさをこの本で垣間見る事ができる。
それと同時に、いかに彼のようにテンションを維持するのかが難しいか、
というのも感じます。
「好きな事をやれば、こんなにエネルギーが出るんだ。」という事実を
知るのにこの本を読むのは良い参考になるでしょう。
理科系の人だけでなく、ビジネスマンなどにもよんで貰いたい本です。
自分が、勉強や研究、仕事にテンション的に行き詰まったとき、
たまにこの本を読んで元気を貰っています。と同時に戒めています