チャートがあって理解しやすい
★★★★☆
文は二段形式なので慣れていない人には読みづらいかも。
基本的に右Pが文章、左Pがチャート(右Pの文章の「流れ」を図にしたもの)。
文章が右Pだけで少ないので、内容はかなりハショられています(古事記の笑えるような面白い箇所は大体載っていません)。そのため簡潔で見やすくはありますが、古事記を楽しむには他の本も読んだ方が良いですね。本書を入門書と言うのには違和感。ある程度内容を知っている人が読んだ方が面白いと思います。
この本の一番の強みは「チャート」だと思います。事の流れが図になっているので、ふと「どんなことがあったんだっけ…」という時に見るとすぐに思い出せます。
付録の風俗(衣食住)と世界構造も面白い。世界観が分かります。
古事記・日本書紀の、サイコーの入門書。
★★★★★
なかなか見つかり難いですよね、分かり易い「歴史の本」って。何故って、チャートがゴチャゴチャしてたり、固有名詞の羅列だけだったり、時系列が前後してたり。
この書籍に言えることは、その様な「歴史の本」のネガティブなポイントが見あたらないことです。つまり、「マイナス点が無い、歴史の本」と云うことです。
さて、では、売りになるプラスのポイントは何でしょう。ズバリ、「イラスト」と「良い具合の編集密度」です。イラストはフル・カラーですしアニメ調なので想像力を刺激してくれます。編集に関しては、文章が冗長だったり言葉足らずだったりすることがない、丁度好い塩梅です。また、おまけのコメントやコーナーが楽しく、武具や祭具の基礎知識も得ることができます。
ただ、大切なところに誤字が有ったり、古事記の内容と照らし合わせるとおかしなところが有ったりするので、もう1冊、古事記関係の本を読んでおく方が無難でしょう。
それでも、星5つ。それくらい面白い本です。
入門書として、参考書として
★★★★★
古事記、日本書紀のダイジェスト版。フルカラーのイラストや図版、写真などが満載でこの価格は嬉しい。記紀に登場する主要な神々や人物のイラストは、きちんと時代考証を踏まえて描かれているのでながめているだけでも楽しいし、実際に記紀を読むときにイメージを膨らませる役に立ちそうだ。
これまでに現代語に訳された古事記は何度か読んだが、固有名詞と系図の複雑さに苦労した。その点、この本は人物名をあえてカナ表記にしてあり(漢字表記も何通りか記載)、系図や逸話ごとにフローチャート形式でまとめてくれてあるので参考書のような感覚でも使えると思う。記紀のすべてを網羅しているわけではないものの、誰でも知っている神話や伝説、大きな事件、逸話などはしっかりカバーしてある。そしてそれぞれの神がどこの神社に祭られているかまで記載されているので、この本を持って神社巡りをするのもまた楽しそうだ。
神々の時代から人間の治世の時代へと移り変わっていく歴史の面白さを改めて感じた。古事記、日本書紀の入門書としてもお勧めの一冊。