大切なのは、何歳になっても“今”を生きていると実感できることだと、このアルバムは教えてくれる。崎谷健次郎の作曲による「色のたより」、ゴスペルを思わす壮麗なバラード「ワンダフルナイトcinema」が特に素晴らしい。(木村ユタカ)
2曲目「真っ白いシャツ ~ Lonely girl Lonely boy」だけは少しロックンロールティストが入っていますが、全体には珠玉のバラード集という感じ。
日常の恋愛ドラマのワンシーンを、切り取って目の前に見せてもらって
いるような、彩り豊かな佳曲ぞろいです。
失った恋の相手を待ち伏せせずにはいられない、苦しい胸のうちを歌う3曲目「Rainy street」や、
好きな人への夢にまつわる日本情緒豊かなメロディの4曲目「夢って」、
芳醇なワインの豊かな香りがたゆとうような5曲目「月のダンス」もよいですが
個人時には6曲目「色のたより」が一番好きです。
“ふるさとは君だった いま 会いにいくよ”というラストの静かな盛り上がりがとても感動的でした。
派手さはないですが、聴き終わったあとで、しっとりと心豊かな満足感が味わえるお勧めのアルバムです。
「ひとり」が寂しいと感じている今には、とても心に響くアルバムでした。