傑作にあと一歩
★★★★☆
幼馴染の天才と努力家、やんちゃと秀才、天才の挫折、そしてクライマックスへという設定。笑いの部分もあるし「卓球」を「ボクシング」に置き換えたら完全に「ピンポン」だよね。まぁ、ある意味青春スポーツものの王道パターンのひとつ(?)ではありますから、それはいいでしょう。でも、残念ながら「ピンポン」にはちょっと及ばなかった印象。
なんだか色々詰め込みすぎなんだよね。それに、ネタばれかもしれませんが、特に気になったのが、谷村美月演じるマネージャーが物語中盤早い時期に死んでしまいます。それをドラマチックに描かないのは、それはそれで悪くないのですが、彼女の残したノートを意味ありげに何度も見せるシーンがありながら、ドラマとして全く機能してしていないのはイカンでしょ。
クライマックスの試合シーンは素晴らしかったです。
心臓音を多様したり、1ラウンドをワンカットで見せるとか、ぐるぐる回るカメラワークとか結構面白かったです。
宝生舞が市原隼人母親役でお好み焼き屋のおかん役が案外よかった。彼女もそんな年で、こんな役ができるのかと2重にビックリしたけど。(笑) 市原隼人は、上手いし役柄にあっているし、筋肉や動きもボクサーに見えるから相当のトレーニングをつんだんでしょうね。高良健吾は、彼もまた本作のユウキ役にしろ、「フィッシュストーリー」のパンクバンドのボーカル役にしろ、その役になり切るため努力し、ちゃんとそう見えるから凄いです。友情ドラマにこの二人のキャスティングはぴったりだったと思います。