福祉の歴史を知り、福祉の理論を知る
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本書は、14人の学者の論文集である。私が本書を購入したきっかけは、塩野谷祐一氏が編者の一人であったということだ。塩野谷氏は、言うまでもなく、シュンペーター研究の第一人者であり、訳者でもある。塩野谷氏の論文のいくつかは、webでも読むことができる。私はこれに共鳴して塩野谷氏という経済学者に興味を持った。
さて、本書は、ロールズの正義論、国家福祉の歴史、セン、ハイエク、ドォーキンの福祉観、さらにリバタリアン森村進氏の論文、ワークフェア論など、ほぼ福祉に関する諸説、諸理論を網羅していると言って良いのだと思う。
福祉を学ぶ人のみでなく、より広く、経済学全般の研究者にも読んでいただきたい一冊だ。