受験を控えた方は必読
★★★★★
著者は、弱冠28歳にして東京大学助教授。出てくるテーマは「英語勉強法」「数学勉強法」「マーケティング勉強法」の3つ。それぞれについて、実際にどういうアプローチをしたか、細かく書かれていて興味深い。3つとも同じ雛型にそって展開されており、その雛型は他の勉強にも応用可能できる。
また、理論だけでなく戦略論的な展開に構成されているのも役に立つ。やみくもに何でも覚えるのではなく、まず「対象の絞り込みが大切」という内容にはなるほどと思った。そういう意味でも、第7章で「マーケティングの勉強」を行った際の勉強方法は参考になる。
数学や英語の勉強法も掲載されているので、大学受験を控えた方などにもぜひ読んでもらいたい。勉強する意義や目的についても考えさせられてしまうのでモチベーションの向上にもつながると思う。
記憶術というより勉強法の紹介
★☆☆☆☆
最近TVでよく見るジャーニー法などの代表的な記憶術の概要と、その使い方について私は知りたいと思っていた。しかし本書は、一部、語呂合わせのような圧縮による記憶法について簡単に紹介するのみで、その他ほとんどは著者が高校から現在に至るまで採用してきた勉強法の紹介に終始している。
その内容は次の通り。勉強する為には→目標を設定する→楽に記憶するためには記憶術が有効→簡単な目標を設定する→集中する→記憶は毎日繰り返し定着させる→一夜漬けでなく毎日少しずつ取り組む→記憶した内容は人に教えて強化する→目に見える成果で進捗を確認する。
記憶術そのものについて学びたかった私にとって、このような内容は役に立つとは言い難かったので評価をあえて1とした。
恐らく記憶術の技法を知りたいと思う人は、著者がほとんどの頁を割いて紹介する上述の勉強法は既に知っているではないだろうか? だからこそ、記憶術に関する本を探しているのだと思う。
勉強法の一例を知りたい人にとっては、本書は参考になるだろう。従ってタイトルは「私の勉強法の紹介」とした方が、誤解を招かずふさわしいと思った。
他の記憶術がシックリこなかった方に
★★★★★
この本の特筆すべき点は、個々人にとって最適な記憶法を提示している点だと思います。
これまでの学習・暗記指南書は著者の経験からまたは脳学的に導きだされた絶対的記憶法を
読者に強いるといった印象が否めなかったのですが、この本では記憶するプロセスはひとりひとり
異なり、ある方法が万人に当てはまるとは限らないという前提で書かれています。
今までいくつか記憶法をやってみてどれもしっくりこなかったという方はこの本を読んでみてください。
自分の記憶型を自覚することで、もっとも最適な記憶・学習法を得るヒントを見つけることができると思います。
矢継ぎ早にやってくる仕事をバンバン打ち返したい方へ
★★★★★
学生時代はそれなりに自信があった暗記も、年齢を重ねるにつれ
徐々に効果が薄れ・・・という時に出会ったのがこの本。
学生時代、何気にやれていた暗記方法が、分解且つ論理的に説明
されていたので、自分に向いている暗記方法はどういうものか、
ということが明確になり、非常にスッキリしました。
学生時代、多少勉強したことがある人であれば、どんな人でも、
「当時、何気に実践していた暗記は、自然と自分に向いている方
法で行っていたんだな」ということがわかると思います。
ただ、その方法を細かく分解して考えたことがなかっため、様々
な暗記方法の食い散らかしで、年齢と共に逆に非効率となってい
るものと・・・。これに加え、仕事に関する暗記であれば、忙し
さにかまけて“手っ取り早い物から手当たり次第!”ということ
も無きにしも有らずな訳で・・・。
この本は、暗記術以外にこの点についても十分触れております。
仕事をする人であれば基本的なことですが、ゴール設定から、
ゴールへたどり着くためにしなければならないことの明確化、
それまでのステップ、そしてその期限などの整理についてです。
実際の仕事では、これらに加え、組織や対人的問題などさらに複
雑な要素が絡んでくるのですが、一度立ち止まり、これらも含め
一旦整理した上で業務に入ったほうが、効率的であることを再確
認しました。矢継ぎ早に仕事をこなさなければならない人は、暗
記ならびに周辺情報の整理の他、この点でも参考になる点は多い
と思います。