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わくらば日記 (角川文庫)

価格: ¥580
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川グループパブリッシング
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早く続編が読みたくなりました。 ★★★☆☆
昭和30年代、生活は貧しいが、心美しく生きる母と娘。
姉・鈴音は人の記憶を見ることが出来る能力を持つ。
第一話は、おばけ煙突の話から始まり、懐古的な雰囲気で始まる。
二話以降は、ワッコのキャラクターが更に明るくなり、神楽の強いキャラクターにも柔らかみが出て、朱川さんらしいユーモアも出てきたように思います。

刑事・神楽は、鈴音の力を使って犯人逮捕するために協力を求めてくる。
不思議な力を使えば、姉は体力を消耗する。
おまけに知らずに済んだことを、知ってしまったことによってもたらされる悲しみ。
そして犯人には、犯人なりの理由や、悲しみがあることを知る。
単に特殊能力を持った少女による犯人探しに終わっていないのが良い。
途中から加わった茜や、品のある人間であるように育てた母も、とても良いキャラクター達です。
姉のはかない初恋物語も良かった。
表紙や、各章ごとの扉絵も作品内容とピッタリ。
続編を早く読みたくなりました。
昭和三十年代の昔なつかしい空気の中で ★★★★☆
 昭和三十年代前半、人の記憶を見ることができる姉・鈴音(りんね)が解決した事件を、妹のワッコちゃんこと和歌子が語っていく一冊。姉さまと私が、千住のお化け煙突を見に行く場面からはじまる五つの連作短篇集。

 昭和三十年代の、昔なつかしい風情をたたえた作品の空気感がいいですねぇ。私はこの時代のやや後に生まれた世代ですが、昭和のあの頃にタイムスリップして路地裏を歩いているみたいな、昔なつかしい思いに誘われました。

 その頃の町中に確かにあったに違いない人と人とのつながり、信頼の絆を、あたたかな眼差しで見つめ、描き出していく筆致もいいなあ。感傷的に過ぎるよと嫌う向きもあるでしょうが、私は好きだな、この世界。生き生きした好奇心、しなやかな感受性いうのを感じさせる語り手の「私」の描き方も上手く、共感を抱きながら読んでいくことができました。

 参考までに、各短篇で取り上げられた事件簿の設定年と、その年に実際に起きた事件、刊行された国内推理小説をひとつずつ、挙げておきましょう。
「追憶の虹」・・・・・昭和三十二年(1957年) ◆ソ連(当時)、人工衛星スプートニク1号の打ち上げに成功(10月4日) ◆仁木悦子『猫は知っていた』
「夏空への梯子(はしご)」「いつか夕陽の中で」・・・・・昭和三十三年(1958年) ◆東京タワー完成(12月23日) ◆松本清張『点と線』
「流星のまたたき」・・・・・昭和三十四年(1959年) ◆現在の天皇・皇后両陛下のご成婚パレード(4月10日) ◆松本清張『ゼロの焦点』
「春の悪魔」・・・・・昭和三十五年(1960年) ◆カラーテレビの本放送開始(9月10日) ◆鮎川哲也『黒い白鳥』

 2009年3月、本書のシリーズ第2弾として、『わくらば追慕抄』(角川書店)が刊行されました。この連作短篇がどんなふうに展開していくのか。楽しみです。
え、これってフィクションなんですか? ★★★★★
この本は、読んでる途中何回も
これって本当にあったお話なんじゃ?と
疑ってしまうほど丁寧に書かれてあって
面白かったです。
途中お姉さんの能力がばれて
事件の犯人を捕まえるために
協力する事になったとき
怖いお話しになってしまうのだろうか?
と心配しましたが、心配したほど
怖いお話しになる事はなかったので
安心して楽しく読むことが出来ました。


昭和30年代のノスタルジー ★★★★☆
この人の小説を読むといつも昭和の時代にタイムスリップ
できる。時間がゆっくり流れていた昭和30年代、犯罪に
すら哀愁を感じてしまう。
でも、お姉さんの人物設定は超ファンタジックで、その
ギャップがこの時代のゆったり感とブレンドされて微妙に
いい味だしているのかもしれない。
この人の本、読みやすくてとても好きです。何か仕事で
疲れた時に清涼剤になるので病み付きになるかも。
豊かなユーモア、不思議な明るさ ★★★★★
他人の視覚的な記憶を幻視する超能力を持った少女・鈴音を主人公とする連作短編集。昭和30年代を背景に、病身で若くして亡くなった彼女の妹による回想として語られ、悲劇的なトーンで幕が開く。話の多くは犯罪譚である。ところが、第二話あたりからユーモアの豊かさが前面に出てきて、思わず吹き出してしまうような箇所も再々なのだ。悲劇は悲劇として直視しつつも、不思議な明るさとゆとりを失わない点がすばらしい。惚れ惚れするような表紙(とイラスト)もふくめ、愛蔵したい1冊。