希代のメロディーメーカーにして魅力的な声の持ち主
★★★★★
シングル2枚買えばアルバムが買える。
であれば、単純計算してアルバム収録曲中
2曲気に入ればまずまずといったところでしょう。
ところが、このアルバムを聴いてビックリ。
捨て曲なしの佳作揃いではありませんか。
中でも私のお気に入りは「手紙」「見上げる青い空」
「数え歌」「海の唄が聴こえる」です。
ピアノ(キーボード)がメインの派手すぎないバックと、
どこまでも透明なその声。
略歴によるとこの方は音大出とのことですが、
このアルバムは、声楽を専攻した人特有の
ビブラートを利かせた声で歌わているのではなく、
また、近年流行のクラシックとポップスを越境した、
“クロスオーバー”なるジャンルの持つ、
クラシックにもポップスにもなりきれない
中途半端さも無縁です。
好き嫌いの極端な私にとって、新作が気になる数少ない
シンガーの一人になりました。
前々から
★★★★★
NHKの番組で曲が流れていたのを聞いていて、前々から気になっていたアーティストさんでした。ちょっと硬質なトーンなのに温かみを感じる歌声で、歌にとって“声”が重要な要素だということを再認識しました。どの曲も、歌詞・メロディーともにスタンダードな感じで、どの年代の人が聞いても綺麗な曲だと感じると思います。
ビギナーさんにお奨めします
★★★★☆
池田綾子さんは、柔らかな歌声が印象的な癒し系シンガーソングライターです。
言葉が持つ心地良い響きを大切にした作品が多く、親友や恋人にでも話しかけられているような……自然体な楽曲が中心です。
このアルバム「オトムスビ」も例に漏れず、目を閉じて聴きたくなる透明感のある歌声と、極上のメロディーが収録されています。
癒し系の曲が好きな方、池田綾子ビギナーの方にお奨めします。
特にNHK絡みの下記3曲は、どこかで耳にしているかもしれませんので、入門曲にどうぞ。
■プリズム( NHKアニメ「電脳コイル」OPテーマ)
■空の欠片( NHKアニメ「電脳コイル」EDテーマ)
■数え歌( NHK「みんなのうた」で放映)
聞けば聞くほどに…
★★★★★
池田綾子さんを初めて知ったきっかけはNHKのみんなのうた
で聞いた「数え歌」でした。
自然に優しく耳に入ってきたメロディで久々に心が癒され、
それから気になっていました。
だいぶ後になって、子供がいつも見ていた電脳コイルの挿入歌
も歌っていたんだ。という事を知り、いっぺんに親近感が湧きました。
それからブログを覗いてみたら、とっても素敵なお人柄で、
アルバムをしっかり聞いてみたくなり、購入しました。
メロディーにのせて素敵なメッセージが自然に心に届いたのは
池田綾子さんが初めてだと思います。
聞けば聞くほど大好きになる一枚になりました。
評価の難しいアルバム
★★★★☆
なんとも微妙なアルバムです。池田綾子さんを全く聴いたことのない方などには十分お勧めできる内容なのですが……。
いつもながら穏やかで優しい歌世界を創り上げており、特に歌唱力の面では前作の「ルナースープ」よりさらに磨きがかかっています。現時点で日本最高の歌姫の一人、という私の評価に変わりはありません。
しかしアルバムを通して聴いてみると、どうも散漫な印象を受けてしまいます。シングルで発売された曲やCMで使われていた曲などをそのまま全部詰め込んだという感じで、アルバムとしての統一感が今ひとつです。
そのバランスを考えてか、一部の曲にはアレンジがかかっていますが……。例えば「小さな鞄」は、ボサノバのようなアルバム版よりも、ピアノ演奏だけのシングル版の方が池田さんの良さを素直に感じられましたし、逆に池田さんの曲としてはちょっと異色な「プリズム」は、もっと大胆にアレンジを変えても良かったと思います。もう2年も前の曲ですから、シングルとほとんど変わらない形で聞かされてもあまり喜べません。
いっそ“シングル集”として見れば贅沢なアルバムと呼べなくもないですが、そのわりにはどういう事情か、名曲「星降る森」が入っていません。屋久島での音楽活動は池田さんの大きな功績のひとつですし、そのメインテーマとも言える「星降る森」を外す理由はないはずです。
曲によって音量や音質のムラがあるのと、新曲のインパクトが今ひとつなのも気になりました。