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いつか、虹の向こうへ (角川文庫)

価格: ¥500
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川グループパブリッシング
Amazon.co.jpで確認
気に入らない部分もありますが・・・ ★★★★★
ハードボイルドミステリの要素がたっぷり詰まった一冊。謎多き物語の展開にどんどん引き込まれて、一気に読了した。

巻末の選評でも指摘されていたが、最後の最後になって突然「ある事実」を明かすのは、本当に反則。読んでいて、自分が見落としたのかと思い、必死に読み返してしまったほど。読み終わって「そんなんアリかよ〜」と小さく絶叫。

しかしながら物語の構成、人物描写、設定などは引き込まれるし、純粋に面白かった。

最終的な★の数は私の趣味。
やっぱミステリーが好き。
面白かった ★★★★☆
本当にこんなに他人のためだけに行動できる人なんて、いないよなぁ・・・
とは思うものの、自分のことなどかえりみずに、まっすぐに突っ走る主人公がすごい。
何もかもを失った身だからできることなのか。
とても面白く、一気に読めて、読後感も良かったです。
ただ読み返して気になったのは、最後の事実にたどり着く鍵になる描写で、主人公の本当の考えが書かれていないために、絶対に真実にはたどり着けないように書かれているところが残念。
本当は主人公はそこのところに引っかかってたんだ!
ということが最後の、いわゆる謎解きの部分ならないとわからない。
そんな書き方しなくても、この人の文章力なら十分表現できるとおもうのに。
またほかの作品も読んでみたいです。
こういうの、嫌いじゃないなぁ ★★★★★
心に傷を持つ主人公が繰り広げる冒険譚。
ハードボイルドの定型である。
ちょっと変わってるのは、主人公が共同生活をしているというところ。
共同生活者もそれぞれ事情があり、その事情が話にうまくかかわってくる。
正直、プロットの勝利かなと思う。
解説に出色のデビュー作とあるが、それは嘘ではない。
05年に石田純一でテレビ化されたとのことだが、
石田純一が主人公では、作者が泣くだろう。


かなりのハードボイルド通をもうならせる作品であると思う。
全てを失った人達がもう一度大切なものを見つける物語 ★★★☆☆
ハードボイルドは苦手だ。
やさぐれた主人公、必ず登場する暴力、酒、ドラッグ、暴力団。
この作品は全部登場している。まさにハードボイルド。
読み始めたときは、「うーん、ダメかも」と思った。
なのに、途中で閉じることなく最後まで読ませ、読後感も良かったのは
主人公の傷ついた心の中を、丁寧に語っているからかもしれない。
主人公だけでなく、他の登場人物の心も同様だ。

そして「虹の種」の物語の、やさしく悲しいストーリー。
きっと、いつか主人公がささやかな幸せを手に入れると信じたくなるエンディング。
私のようにあまりハードボイルドを好まない読者の心も引きつけるに違いない。

これがデビュー作と言うから、かなりの高レベル。
今後が期待できそうだ。
褒めたくせに、星が3つなのは、やはり暴力シーンが苦手なので。
苦手じゃない人にとっては星4つ5つのレベルといえるだろう。

人物像が分かりやすく描かれている ★★★★★
最初から引き込まれて一気に読んだ。元刑事の家に居候するその他の住人にもそれぞれ個性的な過去があっておもしろかった。ただ、久保を殺した犯人に関するヒントが少なく、真相は最後になるまで分からなかったので、もう少しヒントがほしかったが、それでも、ヤクザと尾木との駆け引き、尾木と刑事のやりとり、過去に世話になった弁護士とのイキサツなど、人物像も分かりやすく描かれていて読みやすかった。