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お父さんのネジ

価格: ¥2,940
カテゴリ: コミック
ブランド: 青林工藝舎
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絵が上手い! ★★★★★
2007年2月に亡くなった渡辺和博の漫画ベスト集。
1975-1982年に「ガロ」に発表された作品が収められており、コマ割の上手さ、余韻の残る幕切れに凄みを感じた。
 更に、へたうまのように見えるが非常に上手い絵であることに感嘆させられる。
渡辺は漫画の天才でもあった ★★★★★
死去後にあまれた「漫画ベスト版」で、560ページの大著。
赤瀬川源平と南伸坊の、実際のお葬式で読まれた弔辞。それから嵐山光三郎の追悼文と、「南伸坊、みうらじゅん、リリー・フランキー」による座談会がついている。

渡辺コラムの面白さは、十分に認識している私だが。

漫画のほうは、20代前半に、単行本を1冊くらい読んだのだが、当時は全然ピンとこなかった。(まあ、渡辺は生前に漫画の本は3冊しか出ていないのだが)

が、20年後の今、こうして、ドカンとまとめられたものを読み直してみると、素晴らしいこと、素晴らしいこと。傑作の嵐。
「現実体験そのまま」の漫画や、SF的な「奇想天外」漫画まであるが・・。どれも特有の「生々しいリアルさ」に満ち満ちている。

登場人物が、ヤンキーやバイク好き青年(=渡辺)であることが多いので、「文系の本好き少年」だった昔の自分には、駄目だったんだろう。

みうらじゅんや、根本敬の初期作品は、明らかに渡辺和博の影響を受けている。
「毒電波」という題名の、「電波から身を守るため」に、部屋中を覆っている人物が登場する作品まである。

巻末座談会(南伸坊、みうらじゅん、リリー・フランキー)でのみうらじゅんの発言によると、後輩から見ると「怖くて変な人」だったそうだ。みうらじゅんは初対面で「あなた皮かぶっているでしょ」と指摘され、しばらくして渡辺が著書『ホーケー文明のあけぼの』を刊行すると、表紙に長髪の男のイラストがあり、横に「みうら」と書かれていた、そうだ。
また、神足裕司は渡辺から五反田の町中で突然、「チンコ出したら! オレは平気だよ」と命令されたという。

相当変な人だったんだなあ。そういうことをされても、みうらも神足も、渡辺のことが好きだったという。