社会的企業について頭を整理したい人には最適の良書
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この本は、「新しい公共」やNPOと政府のパートナーシップについて、かなり論争的に議論が展開されていて、とても刺激的な本です。中でも、大学院で社会的企業について研究し始めたばかりの私にとっては、社会的企業について書かれている幾つかの章がとても勉強になりました。今まで、単純に「社会問題をビジネスで解決する」ものが社会的企業なのだといった曖昧な記述の本ばかりを読んできて、何か釈然としないものを感じていたのですが、この本を読んで、社会的企業論にも、アメリカとヨーロッパの二つの理論潮流があること、営利企業による社会貢献と社会的企業を区別して考えるべきこと、社会的企業があまりに企業化しすぎると様々な問題があることなどを知りました。社会的企業について頭を整理して考えたい人には、最適の良書だと思います。