言語表現を指導する人に是非
★★★★☆
著者は俳人であり、選者でもある。単に佳句を紹介するだけでなく、選に漏れた俳句も容赦なく斬られている。ともすれば後付の理屈に終わりかねない吟味のプロセス、選者の心理をかなりダイナミックに描いている。
「形式美の追求」「省略の醍醐味」「古い情趣を捨てる」「ユーモアがない」「言葉の順序」「因果関係は怖い」「常識の外へ」「季語は意味ではない」「無意味な視線」「作者は演出家」「俳句くさい俳句」「詩人になろう」「みずからを恃む」
などなど、俳句だけにとどまらない言語表現のあり方を見直せる一冊である。