カバの「たまらん足のウラ」、ハシビロコウの「惚れ惚れする後頭部」。好きなところはひとそれぞれ。
★★★★☆
「けむくじゃらし」とは、毛(または羽毛)のはえた、人以外の動物と戯れる様子、だということです。いろいろな「けむくじゃら」の動物がでてくる、イラスト中心のエッセー。
著者が一緒に暮らしていた鳥や犬も登場しますが、中心は動物園の動物たち。動物園をこんな風に楽しんでます、という「動物園大好き」さんの楽しみ方、を見せてくれる一冊です。著者の描く「けむくじゃら」さんは、みなほのぼのとしています。
イラストで「こんな仕草」「あんな格好」が書かれているだけでなく、「カピバラをさわるために長崎へ」など、「どこの動物園」とさりげなく書いてあるのもうれしいところ。上野動物園にも、橋を渡っていると近くまでヤマアラシが登ってくるところがある、と知ったら、行って見たくなりますね。「やっぱり絵本より本物」と言う人にもお役立ちの本でしょう。
「オカピの足ソックス」を販売(よこはま動物園ズーラシア)、なんていうのも動物園もいろんな工夫をしてるのね、と楽しくなります。
カバの「たまらん足のウラ」とか、ハシビロコウの「惚れ惚れする後頭部」とか、自分にとってては意外なところに著者の「好き」がありました。ひとそれぞれ、それで楽しめばいいんだ、と再確認。