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軍事革命(RMA)―“情報”が戦争を変える (中公新書)

価格: ¥693
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論新社
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RMAの与える戦術的影響について ★★★★☆
情報革命がもたらした軍事面における革命(RMA)について考察した一冊。

湾岸戦争から見られ始めた軍事革命とは、端的に言えば情報の収集・処理
能力の向上を意味している。偵察衛星や、C3Iシステムなどが軍事革命によ
る代表的な産物であろう。

この革命は、これまでの「消耗戦」を「麻痺戦」に変えると筆者は指摘する。
つまり、軍の「要」となる司令部を、偵察衛星などによって位置を把握し、
反撃に移る暇が無いよう同時的かつ連続的に攻撃することで、軍全体の機能
を麻痺させることが、戦争における戦術的目標となるということである。

軍事革命の戦術的影響に絞ってよくまとめられているが、その限界についての
考察がやや弱い。筆者自身も非対称戦においては、軍事革命における優位性が
弱まるだろうと考えている。
特に現代においては、国家同士の正規戦よりも、ゲリラやテロ組織との非対称
戦が増えている。その戦闘において軍事革命がどのような役割を果たせるかを
考慮しないと、有効性のある戦略を描くことができないだろう。
分かり易い ★★★★☆
「ビジネスに活かす」という副題が付いているが、現職が見ても非常に分かり易い内容になっている。軍事戦略の大家たる著者の長年の蓄積がほとばしっている。すらすらとあっという間に読みきったのは現職だからではあるまい。新書版RMAはこれを読むと非常に良く理解できる。
イラク戦争が今後の事例か!? ★★★★☆
この本は情報革命が軍隊や戦争の方式にどのように影響を
与えているかと言うことを中心に記されています。
重工業時代の戦争から情報革命を利用した戦争の形式の
変遷はなかなか興味深かった。
イラク戦争はまさにこの情報革命時代の戦争の格好の事例となかもしれない。
GPSや偵察衛星の利用、さらには国家インフラを平時から

混乱させかねないサイバーテロなどは今後の軍事制度のみならず
国家機能を如何に保つかということに影響させるだろう。
その中で日本が今後どのようにドクトリンを元に防衛政策を決定していくか?
下手をすればこの国では全くお門違いの方策が採られそうで危惧をしてしまう。
日本はサイバーテロに太刀打ちできるのか!?

現代の戦争を分かりやすく鮮やかに描く ★★★★★
本書に依れば、産業革命以来の軍事パラダイムが、今まさにIT革命等により再度変化しつつあるという。簡単に言えば、兵器と人員の殺傷・破壊、主力部隊同士の正面決戦等を典型とするクラウゼヴィッツ型の戦争から、サイバー攻撃等で敵軍の情報機構を麻痺させ指揮系統を分断させることで敵軍を無力化した上で、航空機動部隊による速やかな拠点制圧を典型とする超現代型の戦争に発想が変化しつつあるのだという。このような「戦争」においては兵士の血はほとんど流れないし、一般市民に至っては「戦争」そのものすら認識不可能な場合すらあるだろう。著者はこのような軍事パラダイムの根本的転換を「軍事革命」the Revolution in Military Affairsと呼んでいる。そして、ポストRMAにおいては「政治の延長としての軍事」のみならず「軍事の延長としての政治」も視野に入れなければならないという。

七章ではこのようなRMA化を経た軍隊(RMA軍。現状では米軍が典型的)に対処する戦略を示唆している。今後の軍隊の在り方を考える上で参考になるだろう。それよりも圧巻なのは六章だ。日本にRMA軍が侵攻したケースをシミュレートしているのだが、「日本」を「イラク」に変えれば、イラク戦争で起こった現実そのままが書いてある。

また著者は、「おわりに」で、軍人の経験則信仰に由来する保守的性格に起因する、RMAへの対応の遅れを危惧する(p170以下)。それゆえ、軍隊(要するに自衛隊だろう)がRMAにキャッチアップするために、シ!ビリアンがRMAを理解し軍にRMAへの対応を促すことの重要性を説いている。是非はともかく、日本国の安全保障を考える上で示唆的と思われる一冊。

予見性は高かった…だが、史的な面がちょい違うのではないか ★★★☆☆
RMAに関しての予見性は、イラク戦争の結果を現時点で眺める限り、どちらかと言えば高かったと評価できるだろう。フセイン支配下のイラクという国家を相手にした場合、RMAである程度まで効率化された軍隊が、どのように効果を発揮できたのかをおさらいできる。さらに、今現在の外部武装勢力が入り込み各所でゲリラ的闘争が行われている状況に関しても、RMAに対抗するための「非対称戦争」の事例としてみれば、それほど的外れでもない。その意味では予見性の高かった本で。入門書としては悪くはない。

ただし、史的事実に対する認識が
「ちょっと違うんでないの?」
という点が多いので、留意されたし。

何と言っても、政戦略を「麻痺戦略」と「消耗戦略」の2つのステレオタイプに押し込めて解説しようというあたりに無理がある。

さらに、第1次世界大戦から第2次世界大戦にかけての軍事テクノロジーの発達に関しての記述には問題がありすぎる。電撃戦が戦車に随伴できる装軌式の補給車両ができたから可能になったなどとは、どこの平行世界の出来事なのかと思ってしまうとか…まあ、これに限らず、笑い話的なネタに事欠かないのは少々困りモノだと思ってしまう。

それらのことがあるから、軍事一般の入門書として考えると、できはよくない。頼みますから、この本の過去の戦争の史的事実の記述は鵜呑みにしないでください。RMAについて直に語っている部分のみは、さらっと脳にインプットしておけば良いのではないかと。