混乱させかねないサイバーテロなどは今後の軍事制度のみならず
国家機能を如何に保つかということに影響させるだろう。
その中で日本が今後どのようにドクトリンを元に防衛政策を決定していくか?
下手をすればこの国では全くお門違いの方策が採られそうで危惧をしてしまう。
日本はサイバーテロに太刀打ちできるのか!?
七章ではこのようなRMA化を経た軍隊(RMA軍。現状では米軍が典型的)に対処する戦略を示唆している。今後の軍隊の在り方を考える上で参考になるだろう。それよりも圧巻なのは六章だ。日本にRMA軍が侵攻したケースをシミュレートしているのだが、「日本」を「イラク」に変えれば、イラク戦争で起こった現実そのままが書いてある。
また著者は、「おわりに」で、軍人の経験則信仰に由来する保守的性格に起因する、RMAへの対応の遅れを危惧する(p170以下)。それゆえ、軍隊(要するに自衛隊だろう)がRMAにキャッチアップするために、シ!ビリアンがRMAを理解し軍にRMAへの対応を促すことの重要性を説いている。是非はともかく、日本国の安全保障を考える上で示唆的と思われる一冊。