doom ensemble.
★★★★★
NEUROSISのスコット・ケリー(Gt&Vo)が中心となり、元SLEEP〜OMのリズム隊2名、アル・シスネロス(Ba&Vo)及びクリス・ハキアス(Dr)に声を掛けたが、直前になってクリスが抜け、空いたドラム枠にはMELVINSのデイル・グローバー(Dr)が収まり、最後にDoom Rockの重鎮、スコット“ワイノ”ワインリッチ(Vo&Gt)が加わった。
更に付け加えると、このアルバム制作に携わったレコーディング・エンジニアは日本人、トシ・カサイ氏である。彼がこれまでレコーディングに関わったバンドとして、MELVINS、ALTAMONT、TOOL、DANZIGなどアンダーグランドなバンドから、デイヴ・マシューズ・バンド、マルーン5、フーファイターズなどメジャーなアーティストまでレコーディング・エンジニアとして関わっている人物。
メンバーがそれぞれ落ちついた年齢になった事からも派手さには欠けるかもしれないが
何度も聞いている内に良さの分かってくるスルメ盤である。ジャム演奏から発展していったと思われる曲もあり、本人達も楽しんでいるのがよく分かる。
全5曲と曲数は少ないが、全曲が長尺(短い曲でも6分弱)で総タイムが40分弱。また曲中で転調していく流れはNEUROSISのようであり、地に足のついたワイルドなフックや印象的なメロディを持ったロックっぽさはワイノ節を受け継いでおり、特徴的なタメの効いた騒々しくもツボを抑えたドラミングはMELVINS譲りで、そしてデイル以外が全員がメイン・ヴォーカルを分け合っているが、ワイノの豪快な歌い方と、その対極に暗そうなスコットの歌い方はいつもどおりだが、アルの呪術的なお経ヴォーカルは、かつてのSLEEPというより、現在活動中のOMそのもの。
ちなみにバンド名はOMの楽曲「To The Shrinebuilder」から、ジャケットのピラミッドからはワイノの1st『Punctuated Equilibrium』のジャケットとの関連性を感じさせる者となっている。
切に来日を望む!