チャイコフスキーのバイオリン協奏曲が大好きなので、
相当な数のCDを集めましたが、圧倒的に素晴らしいのは
この1枚です。
これを超える名演に出会ったことがありません!
卓越したテクニックやていねいな演奏ぶりはプロなのですから
当然です。彼女がすぐれているのは「曲の魂」をわしづかみに
して「作曲者のチャイコフスキーが感じた感動」をそのままに
さしだしてみてくれるからです。
何という美しさ! 「美」そのものです。
10日間、20回ずつ聞きましたがまだ聴き足りないです。
やわらかく、優しく、非常に端正で、音だけでなく、さまざまな
花の香りや色彩までも感じられるようなものすごく深みのある
演奏です。
これを超える演奏は今後出ないかもしれません。
指揮者の持っている音へのイメージが彼女のバイオリンと
完璧に一致している類まれなケースだと思います。
でなければ共演している全員が一致してこんなにも柔らかで
みずみずしく、陽気で清らかな音を出せるはずがありません。
年齢や性別にも驚かされますが「魂」を本当にこめると
人間にはここまで美しい音を出すことができる、そういう
意味でも彼女の存在の素晴らしさに感謝でいっぱいになります。
またモチーフのところで鳴らされるトランペット(ですよね?)
が非常にクリアで、何本かで吹いてるのかと思うくらい綺麗
です。曲の命、キモをつかんでいる音です。
他の演奏だとここがモタついたり、音がこもってがっくりする
のですが、もう随所に素晴らしさがちりばめられていて
素晴らしいです。
これを基準にしたとき、「よい」演奏に含められる演奏が
どのくらいあるのでしょうか。
もう感謝でいっぱいです。