ああ、 何んと 豊かなことよ!
★★★★★
ああ
アニミズム【animism】の世界よ!
何んと 麗しく
何んと 複雑で
何んと 奇怪なことよ!
まさに この一見ケイオスである所の 系より
われらの 生まれ 死に逝かん!
ああ、
何んと 豊かなことよ!
アニミズム【animism】
自然界の諸事物に霊魂・精霊などの存在を認め、このような霊的存在に対する信仰。
勿論、アニマティズム【animatism】
霊魂や精霊が認知される以前に、自然界の諸事物に生命を認める段階があったとする説。アニミズムに対して、英国の人類学者マレットが提唱。プレアニミズム。
としても 差し支えは無い!
とにかく、メシアンは 森を歩くことが好きで そこから着想を良く得ている。
森のざわめき、囁き、小鳥たちの囀り、飛立ち、羽ばたき、もっともっと小さい小動物たちの蠢き、雨、風、匂い、臭い、香り、朝陽、真昼の日差し、木漏れ日、夕立、夕暮れ、真夜中、・・・・・・・・
勿論
特筆すべきは、特異体質であった メシアンの事。
彼は 色彩を 音として認識できたのだ。
スクリャービンやアルテュール・ランボーが苦労して 色と音を関係付けたのに対し
メシアンは難なく
色彩豊かな 世界を 表現できたのだ!
それは まるで マルク・シャガールの絵画の様。
ここまで書けば 皆さんお解りの様に、この2枚のCDの曲の感触は
トランガリーラ組曲(“自然界に満ち満ちる”愛の組曲)に非常に近いものである。
実際 あれっ?。このフレーズ、テンポ、リズム、和音、って
トゥランガリーラ組曲に無かったか? って 思ってしまう。
さて、1630円? 2枚組み!
こんなに ラッキーな事の 他にあろうか!
買わ無い手は 無い!
絶対に買って損はしない!..................(!使い過ぎで済みません)
Michel Beroff の piano演奏も 最高に良い。
NHKスーパー・ピアノ・レッスンで、講師を務めた際に 彼が「力強く」言った事からしても
この素晴らしい出来は 容易に 量り知ることが出来る。
「Vingt Regards sur l"Enfant-Jesus」は フランス最後の 最高の ピアノ曲集だ!
と。
ただし 一般的な 宗教系の雰囲気は無いので 勘違いしないで下さい。
しかし メシアンは 敬虔な キリスト教徒でしたが・・・・。