EMIのプロデューサ,レッグは良くも悪くも当時のイギリス音楽界を牛耳ったが,彼がクレンペラーに惚れ込み,膨大な良質のステレオ録音レコードを遺してくれた事は評価したい.
そしてこの盤だ.
この盤に比べたら,同じキャストで日付もほとんど変わらない,EMIのステレオ録音盤は”死に体”だ.初レコード化という事でマスターテープにダメージがほとんど無かったのではないだろうか,音質も比較にならぬ素晴らしいものだ.うれしい話だ.
クレンペラーの指揮の気宇壮大さもさることながら,私はここでは特に歌手の充実ぶり,特にホッターのバスが聴けることに喜びを感じる.2回目移行はホッターの歌唱に注目して聴いてみて頂きたい.