物語として面白いし、生き方を学ぶこともできる。
★★★★★
徳川将軍家の剣術師範として有名な人です。
でも本書で描かれている印象からいうと、
父の石舟斎や家康から強い影響を受けつつ、
250年以上続いた江戸時代の、
基礎となる思想を確立した人という感じでしょうか。
武士の倫理観や価値基準を示したものとしては、
「葉隠」や「武士道」が有名です。
これらにしても柳生新陰流の影響を強く受けている
とされています。
本書を読んでみて、そのことがよくわかりました。
本書で描かれている宗矩の考えや生き方には、
おそらく賛否両論があるでしょう。
でもそこには、古き良き日本が感じられます。
そして、これはいまの時代を生きるためのヒントにも
なり得るものです。
物語として読んでもかなり面白いし、
なおかつ生き方を学ぶことができる作品です。