バーナード・リーチがみた日本とは?
★★★★☆
本書は、柳宗悦の民藝運動の理解者であり、陶芸家・画家であるバーナード・リーチが昭和28年2月〜翌年10月の約1年8カ月の日本滞在中に記した絵日記である。リーチは2カ年足らずの間北海道と沖縄を除く日本の各地を柳宗悦らとともに訪問し、講演・陶作活動を精力的に行った。所々に挿入された風景や人物の素描は、画家リーチの西洋画の技量と東洋文化への深い理解が混ざり合い、モノトーンが似合う美しい絵だ。日記には、大枠として日本について思索上の問題提起を述べた箇所があり、時折小さくつぶやく箇所…日本人は金歯が好きとか、自分は味噌汁好きとか…がある。彼の小さなつぶやきの中に見出せる日本こそが、ありのままの日本の姿であったかもしれない。