小学校最後の夏休み。風太の前に現れたのは、未来を売る「未来屋」の猫柳さん。彼は、未来の予想を売るのではなく、確実な未来を売るのだという・・・。
派手な事件が起こるわけではなく、主人公の住む町に起こったちょっとした非日常的な謎が、猫柳さんによって解決されるさまは、読んでいて小気味いい。どの謎も、ラストに向けて収束していく構成がまた面白い。
そして、結局解決できない(猫柳さんには分かっているけれど、風太には伝わっていないー本編には書かれていない)謎を残すところがまた、はやみねさんだなあと。
テンポが良く、たたたっと進んで行く文章も読みやすくてよかった。
風太と猫柳さんの関係も、楽しく描かれている。
こどもからおとなまで読んで欲しい本である。