読み物としての面白さ
★★★★★
今作は、ミステリ要素である謎解きがなく、ただの物語となっております。
ただ、その代わりに物語と忠臣蔵の武士達の躍動が生き生きと描かれており、平易に歴史の流れを知ることも出来ます。
歴史と面白さを得る。と言う、タイムスリップの基本要素はある訳です。
久しぶりに読んだ小説だからか、「面白い、また読みたい」と思い、未読のタイムスリップ水戸黄門と戦国時代も読みたい気持ちです。
一般受けしないようなトリック小説を書いたりもする鯨氏ですが、この作品は気軽に面白い小説を読みたいと言う要望を満たしてくれるものだと思います。
シリーズのファンなら
★★★☆☆
鯨 統一郎のタイムスリップシリーズの最新作です。
アイディアは古典的なSFっぽいので、もしかすると若い読者の方には逆に新鮮かもしれません。
シリーズ物ではキャラ立ちが重要な要素ですが、本作では弱めなので、七海ファン以外の方はがっかりするかも。
軽いSF物が好きな人、シリーズのファンであれば読んでおいても損は無いと思いますが、シリーズ未読の方であれば「タイムスリップ森鴎外 (講談社文庫)」「タイムスリップ釈迦如来 (講談社文庫)」等の初期の作品のほうがお勧めです。
必然性が見つからない
★★★☆☆
なぜイヌの世界になるのか?
なぜそこを修正に行くのか?
わからないままに話が終わる。
それぞれの必然性が見つけられない。
それが一番残念なのだ。
主人公たちが同じだけど同じじゃない
★★☆☆☆
今回初めて、ウララ以外に本間香葉子や七海も時間を移動しますが、この3人が現代の人間ではない。違った世界の未来の子たち。
読み応えもないし、「チオ、ビタ」の合言葉がなぜこの世界で出てくるのか分からないし、
そもそもなぜ犬なんだろう。タイムスリップ戦国時代に伏線でもあったのだろうか・・・。