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ニコライの見た幕末日本 (講談社学術文庫 393)

価格: ¥672
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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作品が描かれた時代背景を考える ★★★★☆
神田のニコライ堂、函館のハリストス正教会で知られるロシアの宣教師ニコライの論文である。
その内容は、キリスト教、西欧文明は優れているという前提で展開する。他宗教の神話、伝説を否定的に描いており、読中、不愉快な想いが心を包む。
しかし、本書は江戸幕府が終焉し、ついにキリスト教禁止令が解禁されようという時代のもの。宣教師としては、その土地に宗教が根付くことを力説する必要があった。
解説にも、ニコライが日本語の習得に真剣に取り組んだことが述べられているし、本書の内容からも神道、仏教、儒教についてよく研究したことが分かる。
作品が描かれた時代背景を考慮すれば、致し方ない点もあったと理解できる。
その後長きに渡ってニコライは日本に滞在する。その足跡は確実に日本に残されている。
鋭い眼差しと宗教心 ★★★★☆
 1978年に私家版として出されたものの文庫化。
 ニコライとは、函館のハリストス正教会や神田駿河台のニコライ堂で知られる人物。1861年に函館のロシア領事館付き主任司祭として来日し、いったん帰国したのち、東京へ赴任している。
 本書はいったん帰国した1869年にロシアの雑誌に発表した論考で、日本の宗教の状況、キリスト教布教の可能性などが論じられている。
 前半は仏教や神道、儒教などについて。後半は室町期〜明治期のキリスト教について。透徹した目で各宗教の盛衰、成功や失敗の原因が語られている。歴史的な理解も鋭いし、日本人の心性への理解もきわめて正確で驚かされる。
 巻末に詳しい訳注、解説が付いているのもありがたい。
 あくまでも宗教について書かれた本なので、幕末の風俗などを知りたい人には不向き。