しかけはCDに割り振られたトラックナンバーにある。
イギリス組曲はもちろん各舞曲ごとにトラックが振ってある。
ついで、ベートーヴェンのソナタ31番のトラックをみると・・・3楽章の曲が7つの「部分」に解体されているではないか!
実はこれ、フーガをフィナーレに持つベートーヴェンのソナタを、「舞曲」と「みたて」て、カップリングしてしまったシロモノなのだ。
CDの頭出しもそのような振り方にした企画。なかなか虚を突いた着眼点で、通して聴いてみて唸るようなアルバムになっている。
おもいきりよいリズム感で、ベートーヴェンとバッハの「似た作品」を一本の紐で繋いだ好企画。
こうして聴いてみると、ベートーヴェンのソナタ31番もいろいろなアプローチが可能な曲なのだとよくわかる。
ことさら強調しているというわけではないが、確かにベートーヴェンのソナタも組曲のような変幻性を備えているのだ!
このピアニストもムストネン級のやり手のようだ。