ある時その平和な国の王家の墓所に魔物が出現した。魔物の討伐隊として乗り込んだが帰ってこない父を追って主人公ジャン・アルフレッド・フォレスターは、単身、王家の墓所に乗り込んでいく。ゲームは5階層あるダンジョンに潜っていくのだが、『ウィザードリィ』のような平坦でマス目のマップではなく、起伏のある地形や隠し部屋、落ちると死ぬ吊り橋など変化に富んでいる。しかも3Dなので高い緊張感がプレイヤーに要求される。辛口の洋ゲーをやってみたい人でも楽しめるだろう。(長倉 麗)
潜ることから始まる。ヴァーダイト三部作の第1作とされるが、
第2作、第3作とはあまりつながった世界観ではないので、2作や
3作から先にプレイした人は、あまり期待しないで欲しい。
さて、後のキングスフィールドにつながるこの作品は、物語よりも
システム面での発展において土台となっている。1作においては
ゲームとしての完成度は高いものの、システムにおいて未発達な
要素が多く、2作、3作においてそれを解消、発展させてきた。
×ボタンによるダッシュが存在しないなどがそれに当たる。
そして、冒険の舞台が5層に渡る墓所で、少々スケールが
抑えられている。
だが、それまでのウィザードリィ・シリーズのような、マス目移動の
3Dダンジョンゲームから逸脱したゲーム性は素晴らしい。
新しい冒険感覚のゲームとしてやりごたえは十分だ。
シリーズ中でも敵の動きは不自然に早いので、最初は戸惑うかも
しれないが、どんな攻撃であれ、ダメージが与えられれば敵の動きが
一瞬止まるので、それほど苦になることはないだろう。
ヒントが恐ろしく少ないゲームなので、ウィザードリィを始めとする
半分無目的のようなゲームに慣れていない人にはとっつきにくいかも
しれないが、ハマると抜け出せない王の世界。
廉価版で再登場なので、未プレイの人は是非どうぞ。