こんなの、いいかも。
★★★★☆
「週刊現代」という中高年男性向け(簡単に言うと「おっさん向け」)の媒体に
女性誌ではおなじみの酒井順子さんがエッセイを連載するようになってからだいぶ経つ。
最初のうちは「おじさんはこういう話がいいのかな?」みたいに試行錯誤してたのかも
しれないけど、今はすっかり、酒井さん特有の丁寧で品のある文章で下世話な世相や
アラフォーの本音を描き出す、職人芸のようなエッセイとして安心して楽しく読める。
親の老いと死、出産・結婚のタイムリミットなどの都会で暮らす独身男女の抱える悩みも
カラリと気負わずに、問題提起や説教方向じゃなくて「こういう現状なんですよー」と
あっけらかんと書けるところが酒井さんの強みだと思います。