島耕作シリーズのファンで、ずっと読み続けていますが、
中国との貿易の難しさがわかる内容だったと思います。
よく問題になるのが誠実さ、公正な取引なのですが、
今の中国勢には、狡賢いというか、それに欠けているようで、
日本人にとって、ビジネスチャンスととらえながらも、
悔しさを伴っていることは否めないようです。　

同じアジアとはいえ、独自の国風を展開してきた中国です。
巨大市場で、日本人はどのように生き延びていくのか今後が楽しみです。
また、典子ママが、中国へ進出し、美貌で、中国人男性を狂わせるのも
スパイ的で、面白いですよ。

　「取締役」編の待望の第５巻。課長時代以来、全ての巻を買って持っていることもあり、発売当日に買って読んでみた。
　ここ数作は、中国の家族事情、凄惨なマフィアの事情なり人間模様を描いたものであったが、本作はもう少し、「経済」に回帰した内容となっている。

　例に漏れず、中国（特に上海）の最新事情を盛り込んだものとなっており、日本からの直投による現地会社の人事マネジメントの苦労、勃興する中国企業「出発集団」（三洋と提携したハイアールがモデルか？）との提携の苦労なんかが盛り込まれており、書物や新聞からは汲み取れない微妙な「中国」を丁寧に描いているように思う。
　

　新たな展開もあり、続作にも期待というところか。