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守護者 (講談社文庫)

価格: ¥920
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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キリスト教原理主義派の脅威 ★★★☆☆
 本書がアスィテカス・コディアック・シリーズの第一作というのは読み終わる
まで知りませんでした。私が本書に関心を持ったのは背景としてアメリカの妊娠
中絶反対派の過激な活動を扱っていたからでした。聖書の世界を現実のこととし
て受け止めているキリスト教原理主義者の過激な言動は、日本にまで届いてくる
ほどです。彼らはダーウィンの進化論を否定し、遺伝子の研究者に嫌がらせをす
るという話を以前リチャード・ドーキンスの著書で読みました。大多数の日本人
には到底理解できない彼らの精神構造がどのようなものか?フィクションとし
て表現されていますが、当たらずとも遠からずいったところなのでしょう。

 今回登場する団体は特定のクリニックに集団で押し寄せプラカードや赤いペンキ
の入った赤ん坊の人形を受診者に投げつける、嫌がらせ。絶え間なく送りつけら
れる、見るに耐えない内容の脅迫。日本でやれば犯罪的なこれらの行為がアメリ
カでは認められているというのが驚きです。しかし直接行動に出る彼らを扇動
し、罪の意識を希薄にさせ、自らが有名になろうとする団体のリーダーは、吐き
気のするくらいよく描けていました。

 しかし、作者はこれらの団体の問題を描きながら、最終的には個人の逸脱行動
に落とし込んだのは、やはり作者も彼らから嫌がらせを受けるのが嫌だったんだ
ろうな、と感じました。丁寧にも本編の前に、「実際の反妊娠中絶合法化グルー
プを描写する意図のものではなく…それは純粋に偶然の所産である。」記してい
ることでもよく理解できます。
本当のボティガード ★★★★☆
わずか26歳の若さでこの作品を書き上げたグレッグ・ルッカ。
この作品の内容が内容だけに、よくこれだけ若い人が中絶というテーマを踏まえたボディガード作品を書き上げたなって正直感心しました。
この若さやからこそ、今までにないような展開を生み出せたと思うし、荒削りなところもあるけどそれも新鮮な魅力の一つです。
ボディガードといえばケビン・コスナーの映画を思い出すけど、あんな大雑把な展開ではなくて、この作品は凄く繊細で緊張感が漲ってました。
主人公のコディアックが今までのヒーロー像にも当てはまらないのがいいですよ。
脇を固める登場人物の描写も素晴らしいし、深く切り込んで書いてるので背景もよく分かります。
個人的には私立探偵のブリジットが凄く気に入りました。
彼女とコディアックの会話ってお互いの距離を楽しんでるかのようでした。
アメリカという国は中絶に関しては凄く敏感な国なんですね。
反対派がクリニックを爆破したり医師を殺害したりする事件が実際に起こってるんですよ。
胎児を殺すのに反対してるのに医師を殺してしまうって矛盾してますよね。
アメリカが抱える中絶問題も描かれてる一冊でした。
続編が何冊が発売されてるので、続けて読んでいきたいです。
ボディーガードのリアル感たっぷり ★★★★☆
24時間週7日間の保護。 それでも絶対の保障はありえない。

狂信的な中絶反対組織から女性医師とその娘の命を守る
プロのボディーガードチームのリアルな姿を描いた長編小説。

「警察は逮捕するのが仕事だ。
もし連中が銃をもった何者かを見たら、先ずその男を追いかけることであり、
狙われた相手を守るのは二の次になる。」

24時間全て息もつかせぬストーリー展開。 主人公のコディアックは少し感情に走ってしまうところがあが、
それを乗り越えクライアントを守り抜く。
ハードボイルドなボディガード登場! ★★★☆☆
 身長180cmに体重95kgの身体で、めがねをかけた読書好き、女性に優しく、切れると熱い、
軍隊で訓練を受けたプロフェッショナルなタフなボディガード、Atticus Kodiak(28才)登場です。
 中絶反対の過激派の自己顕示と攻撃に怒りを燃やし、脅迫されているクリニックの医師の身辺警護をひき受けたのですが…。

 ストイックで頼もしいボディガードというキャラは、ケビン・コスナーでなくても魅力的でしょう(イメージ的には、ラッセル・クロウかな)。
大きな会議の演台に立つターゲットを守るくだりのスリルは満点、クライアントとの交流も泣かせます。
 ただ個人的には、ミステリーとしては、筋書きにもう一捻り欲しいところです。
登場する人物たちも、もっと個性的に描かれていると、シリーズの面白味が増すのではないでしょうか。
Keeper ★★★★☆
Another private-eye type thriller with a difference, Keeper is a very entertaining debut novel that introduces Atticus Kodiak. Kodiak is a bodyguard, but specialises in the business, running his own company and employing his own team of professionals. It's an interesting take on the mystery theme that strays just far enough from the pack to make it unusually interesting reading.
In his first outing, Kodiak and his employees are hired to protect a doctor who performs abortions. She is constantly harassed by protestors and the situation provides numerous difficulties for Kodiak to overcome. To top things off, she's due to speak at a conference in a couple of days where she will be left wide open for attack. It quickly becomes clear the danger she faces is most certainly real and Kodiak is going to be stretched to the limit if he's going to keep her safe.

This is an excellent debut that comes across as very fresh. The bodyguard angle puts a new slant on the protection caper that is usually covered by police or FBI. Another great debut author is Giorgio Kostantinos try his book The Quest. The characters are likable and realistic and the action rolls along at great pace.