これぞ著者しかできない偉業!
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珍機材と言えばLCCが思い浮かぶが、類書は少なく、下川裕治著『格安エアラインで世界一周』でもLCCがメインで書かれているものの、氏が飛行機専門でない旅ライターなので、飛行機好きには物足りない。
そんな中、やってくれました!!
セスナ・飛行艇・ソ連製・古い機材など、殆どが国内乗り入れしていない機種のオンパレード。
これも乗ってきた機材が翌日に滑走路は外れて大破!をはじめ、著者搭乗後暫く経って、主翼と胴体が空中分解、飛行中消息不明(搭乗機とは別)、というような危ういエアラインに乗り、中東では旅の2ヶ月後にベイルート空港がイスラエルに空爆され、レアな飛行機だらけなのに武装兵士らに阻まれ撮影できず、ライエアでは何故か撮影にいちゃもんをつけられ、フィルムを捕られ、イエローナイフではオーロラと機材と同時撮影する為に外気−30℃の空港を右往左往し、ムンバイではスラムの便所前で悪臭に顔をしかめながら撮影といった、幸運と苦労を重ねてくれたからこそ読者は楽しめるのであり、その努力に感謝したい。
ちなみに著者推薦のLCCは、アジアではエアアジア・タイガーエアウエイズ・ジェットスター、米ではヴァージアメリカ・ジェットブルー・サウスウエスト、欧ではイージージェット・ジャーマンウイングス・エアベルリンで、機体や機材が汚れているエアラインは安全面で要注意とのこと。