そんな動物たちにキリキリ舞いする人間との対比がとびきりユーモラスでたまりません。また,サキは短編の名手とも言われていて,たった10ページ前後で起承転結,あっと言わせる落ちをつける技術には,思わず拍手したくなるほど。
この本一つ難を言えば,邦題のつけ方。
「人狼」という邦題が付いているのですが,原題は「ゲイブリル・アーネスト」といいます。「人狼」なんて題付けたら,妖しい男の子の正体バレバレじゃん!どうして素直に原題通りにしなかったんでしょう。
童話のように残酷で,皮肉でユーモラスなサキの作品を是非読んでみてください。
グリム童話やオー・ヘンリー,A・ビアスが好きな方には特にオススメします。
僕のお気に入りは,「スレドニ・ヴァシュター」。