おもしろい小説盛りだくさん
★★★★☆
小説雑誌というものにはほとんど手を出したことはなく、
分厚いのと1ページの文字数の多さで、全部読みきれるか不安を覚えたものですが、
結構楽しませてもらいました。
まず読んだのは、やはり小説宝石賞受賞の「アッティラ!」でしたね。
新人だからでしょうか、まだ表現に深みが無かったり、余計な表現が見られたりしたものですが、
きっちりと読まされます。
主人公が唄を歌う外国人たちと仲良くしていくまでの描写が丁寧で、
キャラクター一人ひとりに魅力がありました。
ラストでは感動を味わって、まるで長編を読んだような後読感を得られます。
「新時代の作家たち」でもしかりです。
一遍が短めなので、一、二十分で読みきれます。暇つぶしに最適です。
(ただし、乾ルカの「虫が好まない」は、気味悪さを味わったり、世間や小説についてなめているのではないか、という感想を抱いたりしてしまいましたが・・・)
エッセイも最高、作家講義も参考になります。