「ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング」を聴け!! 必聴盤です!!
★★★★★
ブルーノートのマリーナ・ショウといえば、どうしてもみんな「フー・イズ・ジス・ビッチ、エニウェイ」ばかりを語ってしまうが、そのアルバムだけがマリーナだけじゃない!
ブルーノート1作目の本作も、負けず劣らずの大傑作だ。
とくに、ビル・エヴァンスの歴史的な名演でも知られる「ユー・マスト・ビリーヴ・イン・スプリング」、個人的には、ビルに匹敵する、あるいは、凌駕するやも知れぬ、悶絶物の大傑作である、と、声を大にして主張しておこう。
トラック単位で言えば、「フー・イズ..」のどの曲よりも優れいてることは確か。マリーナの伴奏にはフェンダー・ローズが似合っているが、この曲の濡れたようなローズの響きに浸って欲しい。
ちなみにマリーナは、作曲者のミシェル・ルグランと話をする機会があり、そのとき彼から「君の歌を聞いて自分でも知らなかったこの歌の意味がわかった」みたいな称賛を受けたという。
マーヴィン・ゲイの「セイヴ・ザ・チルドレン」、キャロル・キング「ソー・ファー・アウェイ」なんかも、ほんとにすばらしい。
彼女のブルーノート時代のアルバムは、迷わず総て復刻すべきだ!
今回の「ニューノート・クラシック・シリーズ」ラインナップの目の付け所は大変良いが、ライナーは、MUROという人と二木崇という人の対談形式で、3〜5月の30枚のリイシュー、全部これで通すつもりらしい。
これが、自家撞着、一人(二人?)よがりの無駄な発話部分が多く、読んでいてイライラする。(我慢して読むとそれなりに面白いこともあるが)
初CD化も含む希少作が多く、みんな情報に飢えている訳だから、原田和典あたりに、熱意はあるが整然とした文章を書いてもらったほうが、ユーザーにとってはありがたかった。