最新にして最高傑作
★★★★★
フラジャイルの新作は殆どロック・インスト・アルバムの範疇に入るだろう。私見だが、ジャズ系のミュージシャンがロック寄りのアプローチをとっても“どうも温いな”と感じるコトが少なくない。そんな中で、ロックのアグレッシブさを失うことなく、これだけ高度な作品が作られたのは驚くべきことだ。失礼ながら、これまでフラジャイルのアルバムにはそれほど強い印象を受けたコトがなかった。しかし今回は良い意味で期待を裏切られた。演奏技術については、以前から最高の水準にあることは疑いないが、なによりも楽曲が格段に進化している。ジャズ系のリスナーにとっては、殆どプログレか?とも思える曲は賛否の分かれるトコロだろうが、ホールズワースばりに弾きまくる矢掘のギターは痛快そのものだ。以前共演したM・スターンも最新作ではS・ヴァイやE・ジョンソンを迎えて、これまでで最もロック度の高いアルバムを出している。昨今のフュージョン界はロック流行りなのだろうか…?