UFOほどユーザーの求めるものを知っていたハードロック・グループはあまりありません。マイケル・シェンカー在籍最後になるこのアルバムの売りが彼のギターだけかと言うと、そんなことはなく、多彩な曲づくりとフィル・モグの表現力が彼らの魅力を支えています。彼らがシェンカー脱退後も業界をしぶとく生き延びていくのはそんな理由だと思います。

ジャケットや曲のテーマにSFやアウシュビッツをすえていながら、彼らはそのことをアルバムのテーマにしたりはしません。曲も暗い典型的ブリティッシュ・ハードもやれば、明るいアメリカン・ハードもやります。必ずシングル向けの曲も男の子が喜びそうな演奏主体の曲も入っています。絶妙のバランスが頂点に達した結果がこのアルバムではないかと思います。ほとんどの曲づくりに関わっているピート・ウェイは才能あるんでしょうね。

2008年リマスターです。ボーナス トラックは、ライブ音源です。以前出た現象他3枚は、貴重なアウトテイクなど収録していて、意味のあるリリースでしたが、今回は、余り嬉しくないですね。

UFOに名作数あれど私はこの作品が一番だと思います（異論は承知してます）マイケルとポールのキーボードがお互いのよい部分を引き出し、ハードな曲はハードに（そこにも絶品のメロディあり）、エモーショナルな曲はよりエモーショナルにとバツグンの出来です。ヒット曲の①はもちろん、一番のお薦めは③、⑤、⑦、⑨、⑪の泣き泣きの曲です。（一番どころかたくさんあるけど）泣きのギターにキーボードが絡み付き、そこにフィルのボーカル、これで泣かなきゃ何で泣く？