思っていたより、音楽の話だけに偏らず、フジコさんの今までのエッセイと比べて、明るい印象でした。ひいきのレストランや雑貨屋さんなど、フジコさんお気に入りのお店の紹介もたくさんあって、さながらガイドブックのよう。フジコさんがパリで幸せな暮らしをしていて、良かったな〜と思いました。若い時に苦労されたのが、報われたようですね。

フジコさんが音楽家ゆかりの地を訪ねながら美しいビジュアルとともにパリをガイド。郊外のラヴェルやドビュッシーの生家も素敵。ショパンやリスト、ワグナーやモーツアルトのパリの暮らしのエピソードがフジコさん口調で優しく語られる。フジコさんが暮らしたモンマルトル、サンルイ島、マレのお気に入りの散歩道、ショップ案内もあり、この本をもってパリに行ってみたくなる。演奏家、共演者、コンサートのエピソードなどピアノに対する思い入れが伝わってきて、演奏会にも行ってみたくなりました。