原石の輝き
★★★★★
楽しみにしていたa flood of circleファーストアルバム「BUFFALO SOUL」を聴いた。
いやぁ期待どおりの作品だった。バンドとして今できることを全て詰め込んだようなファーストアルバムになっている。
まずやはり至極真っ当なロックバンドだなと思った。ボーカルのタイプから日本では異端だったミッシェルガンエレファントに重ねてしまいそうだが、もっとストレートなJ-ROCKバンドだ。
まるで荒野の雨のような、しゃがれながらも艶のある声に聞き惚れる。今後声や歌を中心にするのもいいと思う。
アメリカンダンスチューン「Buffalo Dance」。歌謡曲のようにウネる「エレクトリックストーン」。メッセージ性の高いミドルチューン「陽はまた昇るそれを知りながらまた朝を願う」。ポップでメロウな「春の嵐」。ギターが美しく重なる「ノック」。狭いながらも曲調の幅を見せつつ、どれもメロディーの高揚感が高い。キャッチーなギターリフも多く、前作とバンドの雰囲気は変わらないが、圧倒的に聴きやすさは増している。
難点はやはり、曲調が似ているものが多いことか。その為、途中に挟む短いノイズ混じりのインストのセッションで無理にリセットしている印象もある。あと欲を言えばシンプルなバラードも聴きたかった。
あと、イメージとは裏腹にそんなに暗い世界観でもないんだから、もっとアルバム後半のポップな面も頭に持ってきたらバランスよく聴きやすいのだが。
雑な説明をしてしまえばロックとポップの真ん中を行くような、FoZZtoneとDOESとアンダーグラフの中間を行くような、とても多面的な魅力を持ったバンドだと思う。
この聴きごたえのあるアルバムもまだ序章。さらなる進化に期待したい。