23年ぶりに再会した陸軍幼年学校の同窓生たち。燃え盛る校舎に銃剣を取りに戻り、焼死したかつての仲間の死をふりかえり、その死に隠された真の意味を探ってゆく……本編が昭和43年=1968年に書かれたことは偶然ではない。戦争と革命、その意味と実存の問い。西村京太郎の作家としての力量を再発見して欲しい。