革命と戦争の世紀の始まり
★★★★☆
文庫版世界の歴史シリーズの1冊。
第一次世界大戦の勃発から第二次世界大戦の開戦までの激動の時代を、ドイツ、アメリカ、ソ連を中心に記述している。
時間にして二十年間ぐらいだが、これほどまでに、その後の世界を変えた時代もないだろう。まさに革命と戦争に明け暮れた20世紀の歴史の幕開けにふさわしい、血なまぐさい歴史だ。
戦争は国際間の紛争を解決する、あるいは内政の問題を解決するための一政治手段だってことは、理解しているが、どうしてこうも悲惨な結末を迎えることが目に見えてる手段を選ばなければならないのか。
この本を読むとその時々、国々の政治的決断の背景がよく分る。単に、出来事を羅列するだけでなく、国民の生活や文化の側面まで視野に入れ、歴史を解釈すべきということなのだろう。
1冊の文庫本にまとめるには大きすぎるテーマだが、当時の流れを概観することができた。